【広島 蔦屋書店】ボードゲームワールド

ボードゲームのことお話しします

（広島 蔦屋書店　文芸・文庫コンシェルジュ　江藤）

みなさん、ボードゲーム・カードゲームって聞いて、どんなものを思い浮かべますか？

人生ゲーム？　UNO?　やっぱりトランプ？　昔から馴染みのあるのはこのあたりですよね。

しかし、実は世界にはもっと広く深いボードゲームワールドがあるんです。

ちょっと、そのあたりをまずは紹介させてください。

世界でボードゲームが最もさかんな国といえばドイツです。ドイツではさまざまなボードゲームの世界大会なども開かれています。有名なところでは「カタン世界選手権」などです。もちろんこれら大会のために、日本でも選手権大会がおこなわれ、日本代表が世界大会に参加しています。

ボードゲーム熱の高いドイツではさまざまなボードゲームの名作が生まれているのですが、そのドイツで８０年代に急速にボードゲームが発展した要因として、ドイツ年間ゲーム大賞というのが挙げられます。

制作、販売に全く関わらない、純粋なボードゲーム好きのボードゲームジャーナリストと呼ばれる人たちが、本当に面白いボードゲームを選ぶ賞で、大賞に選ばれるとそのボードゲームが大量に売れるという、かなり信頼の置ける賞になっています。

ボードゲームには興味があるけれど、どんなものを買っていいかよくわからない、どんなのが面白いんだろうか、やってみないとわからないよね。という人には、まずはこのボードゲーム大賞の受賞作をお薦めします。

さて、ボードゲームというのが世界で人気で、ドイツでは特に人気があり、ドイツのボードゲームには面白いものが多い。ってなことはだいたいわかった。

では、古くからあるボードゲームを今なぜ広島蔦屋書店がお勧めするのか？

最近、東京を中心にボードゲームカフェというのが人気になっているのをご存知でしょうか。一般的にはボードゲームは子供が楽しむもの、または親子で家族で楽しむものというイメージもあると思うのですが、今２０代から３０代の男女がボードゲームカフェの人気を支えているんです。

今や、スマホを使ってSNSでコミュニケーションを取るのが当たり前の時代です。

しかし、スマホの画面越しでは相手の細かい表情もわかりませんし、動きや声のトーンもわかりにくい。

かたや対面で遊ぶボードゲームでは、お互いにリアルなコミュニケーションを取ることで、相手を騙したり、駆け引きを楽しんだり、協力したり、そこには人間性が丸見えになってしまう恐ろしくも面白い、リアルな人と人とのぶつかり合いがあるのです。

また、ボードゲームカフェで初めて出会った人たちが、一緒にボードゲームをすることで会話が生まれ、すぐに打ち解けて仲良くなる。というのも魅力の１つのようです。

会話を主体にした代表的なゲームといえば、人狼ゲームがあります。

これはテレビ番組にもなったこともありますので、ご存知のかたもいらっしゃると思います。

それぞれ、自分しか自分の役割はわからないのですが、村人や特殊な能力のある人、そして狼の役割を持った人たちが、会話から狼を探り出し、見事に狼を追放できれば村人の勝ち、間違って村人を追放してしまい狼が残れば狼の勝ち。という探り合いと騙し合いのゲームです。

会話で相手をうまく騙し、自分の思い通りに村人を間違った方向に誘導するのを楽しむか、村人で協力して、狼をズバリいいあてるか。気の合う仲間と遊べば、いつもと違う相手が見えるかもしれませんし、知らない人同士でやると、何を考えているのかわからないところがまた面白いと思います。

また、ボードゲームの良さに、大人と子供が一緒に楽しめる、というところもあります。テレビゲームってほとんど反射神経でやるものが多いので、大人が急にやってもうまく動かせなかったりで楽しめませんが、ボードゲームはじっくりと楽しめるものも多いですし、会話を楽しむものもありますし、大人と子供で一緒にわいわい楽しめます。

また、カードゲームなどは、価格が安いのも魅力ですよね。１０００円～２０００円でも非常にレベルの高い面白いゲームがいくつもあります。

親子で真剣に対戦したり、協力したり、子供の意外な一面が見られたり、お父さんお母さんって実は結構負けず嫌いで子供っぽいなってわかったり、とっても楽しいひとときを過ごすことができると思います。

頭脳戦が多いので、もちろん頭も鍛えられます。楽しみながら頭も鍛えられるなんて最高です。

意外と手軽に入れて、実はすごく奥が深く面白い。

ボードゲームの世界にあなたをご招待いたします。