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【サイン入り】潮騒の部屋 守屋友樹
販売価格:¥4,090 (税込 ¥4,500)
守屋友樹は日本で活動している美術作家・写真家です。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、京都造形芸術大学大学院修士課程を修了。フィールドワークやリサーチを元に、メディアを通して歴史や自然/個や他者との様々な関係を提示しています。ある出来事を過去のものとして固定せず、過去と現在を通し見るような仕掛けを行うことで、対象そのものの持つ固有性を浮かび上がらせる作品制作を精力的に続けています。
そして今回、刊行された「潮騒の部屋」は、2025年第41回東川賞「特別作家賞」受賞作であり、北海道東沿岸部に点在する戦争遺構であるトーチカを取り扱った作品集です。
トーチカとは、旧日本軍が敵の襲来に備えて建造したコンクリート製の防御陣地です。作家が取材した北海道東沿岸部のトーチカは、第二次世界大戦末期に旧日本軍が急造するも、アメリカ軍の侵攻ルートから外れ実際に使われることはありませんでした。
トーチカの中にいた人物の眼差しそのものを想像するために作家はトーチカを遮光し、ピンホールカメラに仕立て直します。トーチカの銃眼(小窓)を利用して建物内部に投影される外の風景を像としてフィルムに定着させた写真や、暗闇の中で像に触れるようにして描かれたドローイング、フィールドワークを通して撮影された写真に加え、作家ステートメントを収録しています。
守屋はかつて戦争に従事していた者の眼差しや、作家自身の経験を重ね想像することで、風雨に晒され続けるトーチカを記憶装置として再び立ち上げます。いわゆる公的な記録に残らない体験としてのアーカイヴを編み直し、言葉にできない手触りとしての記憶を残す試みを行っています。同時に作家が通底して提示する不在や喪失から立ち上がるイメージが、逆説的に鑑賞者に向かって歴史とは/記憶とは/写真とは何かを問いかけています。
プロフィール:
守屋友樹[もりや・ゆうき]
美術家、写真家。1987年北海道生まれ。京都府・東京都在住。日本大学芸術学部写真学科卒業、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院修了。写真の古典技法や古写真に関する歴史を学び、かつてあった景色や物、出来事などに対する眼差しやそれらを想起する手立てに関心を持ち、不在や喪失をテーマに制作を行っている。近年の主な展覧会に「日やけのあとの」BnA Alter Museum(2025年)、「第41回東川町国際写真フェスティバル」東川町文化ギャラリー(2025年)、「潮騒の部屋」五条半兵衛麩 ホールKeiryu(2024年)、「第11回札幌500m美術館賞 入選展」500m美術館(2024年)、 「すべ と しるべ 2022 #01『蛇が歩く音』」Gallery PARC(2022年)、「影を刺す光-三嶽伊紗+ 守屋友樹」京都芸術センター(2020年)、「きりとりめでると未然の墓標(あるいはねこ動画の時代)2019-2020」パープルームギャラリー(2019年)など。2025年第41回「写真の町東川賞」特別作家賞、2019年第21回写真「1_WALL」奨励賞(増田玲選)、2016年第14回写真「1_WALL」奨励賞(鷹野隆大選)を受賞。https://yk-mry.com/
出版社 発行:喫水線
発売日 2025 / 10 / 31
品番2510000555823
製品仕様
発行部数:600部限定
発行日:2025年10月31日
サイズ:106mm×153mm
ページ数:128頁(うち48ページはノートページ)
仕様:上製本(クロス装)
言語:日本語/英語
執筆:石川卓磨
校正:見目はる香
翻訳:髙島友希乃
装丁:岡田和奈佳
印刷:八紘美術
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