【広島 蔦屋書店】ショーン・タン 
「どこでもないどこか」を探しに

フェア・展示
2号館1F アートコーナー平台 2022年11月08日(火) - 02月05日(日)
 
ショーン・タンの新刊『いぬ』の刊行を記念し、フェアを開催いたします。

イラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプト・アーティストとしての活躍の場を広げている、ショーン・タン。
彼が描く世界はどの場所も行ったことがないはずなのに、時に懐かしくもあり、切ないような温かいような、とても不思議な気持ちになります。

今回のフェアに寄せて、訳者の岸本佐知子さんから貴重なイラスト入りの直筆コメントをいただきました。
 
 
 

こちらのコメントは、フェアにてご覧いただけます。
岸本佐知子さんのサイン入り書籍、ショーン・タングッズ、ミストグラフ版画のお取り扱いもございます。数量限定となっておりますので、お早めにお求めください。

そして、今回のフェアでは、岸本佐知子さんが語るショーン・タンの魅力を冊子にし、店頭でお配りしております。
書籍へのコメントは全て、広島 蔦屋書店のフェア開催に合わせての書き下ろしです。
ぜひ、お持ち帰りくださいませ。
 
広島 蔦屋書店 犬丸美由紀
 

 

 
<イベントのご案内>
 
■ 岸本 佐知子トーク&サイン会
  2023年2月5日(土) トークイベント 14:00 - 15:30
            サイン会 15:30 - 16:00
  詳細はこちら
 

 

ショーン・タンのまなざし 
岸本佐知子
 
ショーン・タンは、ページのはしっこで遊ぶ人です。
たとえば『夏のルール』。ページのどこかに必ずカラスが一羽いて、兄弟のひと夏の冒険を見守っています。
絵本版の『エリック』では、よく見るとEricのiの上の点がすべて緑色になっています。物語を読み終わって本を閉じたあと、また何度でも本を開いて新しい発見ができる、それがショーン・タン作品の魅力の一つです。
そして彼はつねに「社会のはしっこ」にいる存在に心を寄せる人でもあります。 『アライバル』の、祖国を追われ、言葉の通じない、謎のルールに満ちあふれた異国でなんとか根づこうとする人物。街のどこにも居場所がなく、人々の目にすら見えない『ロスト・シング』の迷子。『遠い町から来た話』に出てくる、見捨てられたガラクタからペットを作る友だちのいない男の子や、殴られても蹴られても、いつの間にかたたずんでいる棒人間たち。
作者はつねにそれら「はしっこ」の者たちに寄り添い、あたたかな視線を注ぎます。それは彼自身が移民二世であり、オーストラリアの西の端パースの、さらにその北のはずれという「はしっこ」で育ったことと、無関係ではないかもしれません。どこにいても、誰も気に留めないようなちっぽけなものに注目し、やがてそれらから美しい花を咲かせるエリックや、ページの隅っこから事のなりゆきを見守るアウトサイダーのカラスは、そんな作者の分身なのかもしれません。
 
(『ショーン・タンの世界』掲載の同タイトルエッセイより)
 
 
 
 
ショーン・タン版画
W310 × H400
 
ショーン・タン 版画
「フライト」

ミストグラフ版画
W400 × H310
 
ジクレー版画
W662 × H505
※オンライン限定販売
 
W662 × H505
※オンライン限定販売
W662 × H505
 
W662 × H505
 
W662 × H505
 
発売:求龍堂
 
こちらの版画は蔦屋書店オンラインストアでも販売しています。
 
 
 
 
プロフィール
 
ショーン・タン Shaun Tan
絵本作家・アーティスト
 
1974年オーストラリア生まれ。 幼い頃から絵を描くことが得意で、学生時代にはSF雑誌で活躍。西オーストラリア大学(University of Western Australia)では美術と英文学を修める。
オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。
イラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプト・アーティストとしての活躍の場を広げている。
2006年に発表された『アライバル』はアングレーム国際漫画祭最優秀作品賞を受賞し、ショーン・タンの名前を世界に知らしめた代表作。
完璧主義で何年もかけて作品制作をするかたわら、気さくにサインもする人柄。約9年の歳月をかけて自ら監督し映画化した『ロスト・シング』で2011年にアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞。同年、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞も受賞。
『内なる町から来た話』で2020年にケイト・グリーナウェイ賞を受賞。

ショーン・タン 日本公式サイト
https://shauntan.jp/
 
 
岸本佐知子 きしもと さちこ
翻訳家
 
上智大学文学部英文学科卒。洋酒メーカー宣伝部勤務を経て翻訳家に。訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』など多数。
ショーン・タンの作品では、『セミ』をはじめ多くを翻訳。
海外文学の翻訳において「岸本訳にハズレなし」と言われている。
著書に『気になる部分』『ねにもつタイプ』『なんらかの事情』など奇妙で不思議な味わいのエッセイがある。『ねにもつタイプ』で第23回講談社エッセイ賞を受賞。
 
 
 

 
 
■ 主催
(株)みにさん・田中優子事務所
 Twitter @minisanoyt
 
■ 協力
(株)河出書房新社 
 
 求龍堂
 
illustration ©︎ Shaun Tan
  • 期間 2022年11月8日(火) - 2023年2月5日(日)
  • 場所 2号館1F アートコーナー平台

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