【六本木ホラーショーケース -ARTICLE-】#012 『エクソシスト 信じる者』はいかに伝説を語り継いだのか?

“活きのよいホラー映画、ご紹介いたします”

【六本木ホラーショーケース】
六本木 蔦屋書店映像フロアがお贈りするホラー映画紹介プログラム。
ホラー映画を広義でとらえ、劇場公開作品を中心にご紹介し、そこから広がる映画人のコネクションや文脈を紐解いていきます。
 
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今回ご紹介するのは、『エクソシスト 信じる者』です。
 
ポスター画像
(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

『エクソシスト 信じる者』
2023 | 監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
 
『エクソシスト』と言えば、泣く子も黙るホラー映画の金字塔です。
1973年にウィリアム・フリードキン監督によって撮られた第一作目は、興行的にも大ヒットを果たし、アカデミー賞の複数部門でのノミネート、ウィリアム・ピーター・ブラッティの脚色賞受賞と批評的にも成功を収めました。
何よりホラージャンルへの影響は計り知れません。
エクソシストものというサブジャンルを切り開いたと言っても過言ではないでしょう。
その後は正当な続編として『エクソシスト2』、『エクソシスト3』、前日譚の『エクソシスト ビギニング』、そして諸事情で公開となった『ドミニオン』とフランチャイズ化されています。
 
そんなホラー映画界の巨塔への挑戦に名乗りを挙げたのが、プロデューサーのジェイソン・ブラムです。
この連載でも度々登場する現代ホラーの重要人物ジェイソン・ブラムは、予算を掛けすぎず高クオリティのホラー映画を量産することに成功した名プロデューサーです。
彼の中でも『エクソシスト』という企画はとてつもなく大きいものだったことでしょう。
共に戦うことを決めたのは、前作『ハロウィン』シリーズでも組んだデヴィッド・ゴードン・グリーン監督でした。
 
同じく伝説と化している『ハロウィン』という物語を見事に現代へと結びつけ、その決着まで辿り着かしたデヴィッド・ゴードン・グリーン監督の手腕は、『エクソシスト 信じる者』でも遺憾なく発揮されています。
『エクソシスト』のその後を描いた今作は、少女が悪魔に取り憑かれるという原点を描いており、リブート的な現代での描き直しでもあります。
それでいて確実に続編としての歴史を感じさせる描写もあり、昔からのファンから新しい観客まで想定された射程距離の長い作品となっています。
 
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『ハロウィン KILLS』
2021 | 監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
 
ジェイソン・ブラムとデヴィッド・ゴードン・グリーン監督が組んだ『ハロウィン』シリーズ2作目です。
1978年のジョン・カーペンター版の直接的続編にあたる2018版と最終章『ハロウィン THE END』を繋ぐ立ち位置であり、なかなか単独での評価は難しくもあります。
ただ、マイケル・マイヤーズに対抗するものとしてハドンフィールドの群衆の集団的な狂気を持ち出したあたりは、『エクソシスト 信じる者』にも通ずるアレンジだと感じました。
“信じる者”というサブタイトルにも関わる部分ですので、是非とも両作品をご覧いただき、デヴィッド・ゴードン・グリーン監督のアレンジの妙を味わって欲しいです。
 
 
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