梅田 蔦屋書店のコンシェルジュたち 山下[アート]

※こちらのインタビューは2020年の5周年企画として行われたものです
 
私と本、私と梅田 蔦屋書店

私にとっての本は、ひと言ではなかなか言い表すことができない存在です。いつも持ち歩く常備薬のようでもあり、現実逃避ための魔法であり、いろんな世界と繋げてくれる扉でもあります。出かけるときはバッグに1冊、長風呂のお伴に1冊、枕元に1冊、いつも近くに本があると安心でき、ページをめくる手が止まらないくらい読書に夢中になれるのが何よりも至福の時間です。
 
梅田 蔦屋書店で働くことは、そんな私に本を通してさまざまな出会いと学びを与えてくれています。
私の所属するアートチームはいつも何かしらのアート作品の展示やフェアを開催しています。作家さんへのアプローチや、展示準備、フェアで展開する書籍の選書などやる事が尽きず、多忙な日々ですが、新しい本や作家の方、アート作品や雑貨など、新しい出会いや発見が溢れています。

自分が関わったフェア目当てにお客様が来てくださったり、たまたま訪れた方が気に入ってくださったりすることが何よりの喜びで、励みになっています。
 
 
 
梅田 蔦屋書店の5年間 

梅田 蔦屋書店の5年間はあっと言う間の日々でした。私個人としては、多くのお客様やコンシェルジュ、スタッフの仲間、お仕事をさせていただいた人々や数え切れないほどの失敗に学びながら、なんとか頑張ってきた大切な5年間です。
 
梅田 蔦屋書店は、大きな書店ではありますが、コンシェルジュはじめ各ジャンルの担当者が自身の担当する棚やフェア・イベントなどさまざまに工夫を凝らしていて小さな部分までじっくり楽しんでいただけるのが魅力です。働いている私自身、他の売り場を見て「こんな面白い本や商品があったのか!」と感動することもあり、新しい発見に事欠かない場所です。
 
私はアートフロアのコンシェルジュとして、さまざまなアートの展示やフェア、イベントの企画に携わってきましたが、新しい企画に取り組むたびに大好きな本とアートが増えてゆき、充実した5年間を送ってこられたと思います。
 
「アートと本がある空間を作りたい」という目標をもって、梅田 蔦屋書店で働き始め、それが実現できるようになった今、この5年間で学び得たことを糧に、今後も新しいことに挑戦していきたいです。
 
 
 
 
 
 
梅田 蔦屋書店を代表する一冊

 
 
 
 
書籍名:『自分の中に毒を持て』
著者:岡本太郎 出版社:青春出版社
 
アートの棚には欠かすことのできない美術家・岡本太郎著のロングセラー。文庫ですがどんな豪華な作品集にも負けない圧倒的な存在感をもっています。
「とにかく思う通りに生きればいい」と、すべての人を肯定してくれる包容力に溢れた本で、これからももっと沢山の方に読んでいただきたいです。
 
 
 
私を代表する一冊

 
 
書籍名:『Tokyo Space Diary』
著者:タカノ綾 出版社:早川書房
 
現代美術家・タカノ綾さんはSF小説の名エッセイストでもあります。私はタカノ綾さんを知らなければ、現代アートに興味を持つこともなく、この本を読まなければ、村上春樹も読まず、テッド・チャンもティプトリーも半村良も知らないままだったと思います。思いがけない出会いに満ち、何度も読み返している一冊です。
 
 
コンシェルジュプロフィール

徳島県出身。一般企業に就職するも「アートと本にかかわる仕事がしたい」と京都のギャラリーでインターンをしながら、大阪千日前の書店でアルバイトを始めました。「アートと本が一緒にある空間を作りたい」を作りたいと考えるようになった頃、たまたま梅田 蔦屋書店ができることを知り、コンシェルジュに応募して現在に至ります。アートももちろん大好きですが、読書は専らSF小説やミステリー、海外小説、ときどき料理エッセイ。
 
 
 ワークスタイル 渡邉 雑誌 久住 雑誌 沖野 洋書 大山 文学 北村 文学 河出 古書 小林   
 
 
 

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