広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.358『ハウスメイド』フリーダ・マクファデン 著 高橋知子 訳/早川書房
蔦屋書店・江藤のオススメ『ハウスメイド』フリーダ・マクファデン 著 高橋知子 訳/早川書房
この本の帯に書かれているのですが
「この家の人間は誰も信用してはいけない」
まさにこれです。
第二部を読み始めたあなたは唖然とするでしょう。
怖い!怖い!怖い!
やられた。完全にやられた。
数々の小説、もちろんミステリ小説も読んできて、なるほどこの本はこんな感じか、などと偉そうに本を読んでしまう事もあった私ですが、深く反省しました。
本との向き合い方がこんなではいけない!もっと真摯に、何も考えず、頭を空白にして、本に溺れなくては!!
数々の小説、もちろんミステリ小説も読んできて、なるほどこの本はこんな感じか、などと偉そうに本を読んでしまう事もあった私ですが、深く反省しました。
本との向き合い方がこんなではいけない!もっと真摯に、何も考えず、頭を空白にして、本に溺れなくては!!
ほとんどホームレス状態で暮らしていた主人公のミリーが、大金持ちのお屋敷の奥様に気に入られて、住み込みでメイドとして雇われます。主人公にしては願ったりかなったりです。
でも、読者としてはちょっと引っかかるのです。
主人公のミリーは今まで何をしてきた人なのか?
なぜ車上生活をしているのか。
でも、読者としてはちょっと引っかかるのです。
主人公のミリーは今まで何をしてきた人なのか?
なぜ車上生活をしているのか。
住み込みで働くことになった家はミリーにとっては夢のような豪華なお屋敷です。きれいな庭があって、ちょっと気難しそうな庭師がいますが、最高です。でも、ミリーの部屋としてあてがわれたのは、ちょっと変な屋根裏部屋でした。
最初はとても良い印象だったお屋敷の奥様であるニーナですが、ミリーの印象はどんどん変わっていきます。何しろ部屋をやたら散らかす。それも普通じゃない。誰かが暴れたのか、泥棒でも入ったのかというぐらい。
ニーナの娘も登場します。わがままな娘ですが、お金持ちのお屋敷の娘なのでそれはそこまで不自然じゃないですよね。
そこに現れるのは、最高にかっこよくて優しいこの家の主人、アンドリューです。早速ミリーのことを気に入ってくれますし、とても良くしてくれます。こんな素晴らしい旦那さんが、なんでニーナと?
ミリーはそこで生活をしながらいろいろなことを聞き、なんとなくこの家族のことが解ってきます。過去に痛ましい事件があったらしい、ニーナは精神的にダメージを受けているらしい、この家族は問題を抱えている。特に!ニーナ!
というような形で物語は進んでいきます。喉に引っかかるような違和感。なんか嫌な感じ。もっとこれからなにか起こるような予感。もちろん読者のわたしは、この先をなんとなく予想しながら読んでいきます。
<この先は読まずに本を読んでもらうこともおすすめです>
この本の帯に書かれているのですが
「この家の人間は誰も信用してはいけない」
まさにこれです。
第二部を読み始めたあなたは唖然とするでしょう。
怖い!怖い!怖い!
この本は、海外ミステリーがもしも苦手だなと思っている人にこそおすすめかもしれません。何しろ登場人物が少ない。難しい名前を覚える必要もありません。ほとんど全てはこのお屋敷のなかで起こる出来事です。
さらに、ひとつの章がとても短いのです。でも小説としてのボリュームはそこそこあります。第一部と第二部にも別れているので読み応えもあります。ですが、読んでみると本当にわかると思うのですが、ひとつひとつの章がとても短いので、テンポよくするすると読み進められます。このテンポよく読み進められるという形式も、もちろん作者の意図があってのことでしょうが。
さらに、ひとつの章がとても短いのです。でも小説としてのボリュームはそこそこあります。第一部と第二部にも別れているので読み応えもあります。ですが、読んでみると本当にわかると思うのですが、ひとつひとつの章がとても短いので、テンポよくするすると読み進められます。このテンポよく読み進められるという形式も、もちろん作者の意図があってのことでしょうが。
ミステリー小説を読み慣れている私が衝撃を受けて、怖い!ってなったこの作品。ミステリー小説好きはもちろん、あまり好きではなかった人、海外小説が苦手だと思っている人、長い小説に拒否感を持っている人、どんな人であろうとこの本にのめり込んでしまうことは間違いないです。面白い本を探しているのなら、今の私がおすすめするのはこの本一択です!
続編もあるらしいです、、、あーそういうことですか、、、