広島 蔦屋書店が選ぶ本 Vol.11

【蔦屋書店・西尾のオススメ 『bon appetit』】

雑誌は、わたしたちの生活をより豊かにしてくれるもの。蔦屋書店はそう考えています。インターネットで、手軽に情報がえられるこの時代だからこそ、ちゃんと取材をした、感度の高い雑誌の価値は、ますます高まっていると思います。

蔦屋書店では、日本の雑誌にとどまらず、さまざまな洋雑誌も取り扱っております。

 

今回ご紹介するのは、『bon appetit』というアメリカの料理雑誌。雑誌名は、フランス語で"たくさん召し上がれ"という意味です。フードトレンド、おすすめヘルーシフード、世界中の料理レシピも紹介しています。今回の特集タイトルは"Build a better Sandwich"。サンドウィッチを建てる?どういうことでしょう?この特集では、サンドウィッチは、作るものでなく、建てるものである、ということをA to Zを使って教えてくれます。

                 

A is for Architecture. (Aは建築のA)子供が「あ」は「あひる」の「あ」と習うようにサンドウィッチ学を教えてくれます。図解を用いて、サンドウィッチの「構造解説」から始まります。構造解説、まさに建築の考え方です。B is for BLT.BBLTB)、 C is for cheese.CはチーズのC)といったベーコンやチーズの使い方など定番もおさえつつ、I is for iceberg.(Iは氷山のI)などサンウィッチの見方を変えてくれる項目も多数あります。

 

AからZを読み終えた私は固定観念にとらわれていたことに気づきました。サンドウィッチは定番の具材を挟むだけのものだという固定観念に。サンドウィッチとは、もっと豊かで自由で、芸術的な「建造物」だったのです。

 

サンドウィッチに求められるのは、味と食感のバランスに加え、見た目の芸術性です。上手くデザインされているだけでなく、建造物として崩壊しないように設計されることも求められています。パンに挟まれるべき素材のそれぞれの役目を把握したら、あとは自分の好きに積み上げたらいいのです。この記事がくれたインスピレーションは、私をこれまでないサンドウィッチを「建てて」やろうという気にさせてくれました。

 

『bon appetit』はカルチャーマガジンでもあります。料理を通じて旅先の情報やアメリカ人目線での異国の文化を知ることも出来ます。日本の食や食材を海外の人たちがどんな風に日常に取り入れているかもわかります。編集者自身の身近なエピソードやライフスタイルが毎回紹介されるのもこの雑誌の魅力のひとつです。

 

私たち日本人がおにぎりを手軽に持ち運んで食べる様に、西洋人も冷蔵庫のレフトオーバー(left over =残り物)をパンに挟んだり、トルティーヤで巻いたりしてランチに持って行きます。天気にあまり恵まれない地方では太陽が出ると大の大人が公園でピクニックをします。ピクニックのお供は、やはりサンドウィッチです。

 

国民性や文化を理解することは、語学を早くマスターする手助けにもなります。英語ではおいしいサンドウィッチのことをmean sandwichと呼びます。「mean」という単語は通常は、「卑劣な・意地悪な」など悪い意味で使われる形容詞です。それがおいしいという意味で使われるのです。洋雑誌では硬苦しくない日常の活きた英語がよく使われるので、語学を習得したい人には洋雑誌を読んでみることを是非おすすめします。興味のあるカテゴリーの雑誌なら難しくはないはずです。写真をながめて、気になる記事の見出しだけを読むだけでもいいのです。そして、みなの知らないトレンドをいち早く知ることもあります。

 

コンデナストパプリケーションズは『bon appetit』をはじめ、ファッション雑誌の『VOGUE』や『GQ』などを手がけるアメリカの大手出版社です。その他にも広島蔦屋書店では100タイトル以上の洋雑誌を扱っています。海外のニュース、ファッション、ライフスタイルなど様々な情報を自分自身でダイレクトに吸収することが出来ます。本や雑誌が身近にある生活をさらに豊かにしてくれますね。

 

そうだ、私もピクニックに出掛けよう。サンドウィッチを建てて。いつものツナにバジルペーストを混ぜてみよう。野菜はただ敷くだけではなく積極的に潜ませてみます。 柔軟なクリームチーズで耐震強化。ポテトチップスを加えて陰陽の食感を隠し味に。そしてパンは真四角であることが欠かせないのです。

 

【A magazine recommended by Nishio in TSUTAYA BOOKS ; “bon appetit”】

 

The article tells you how to “Build a better Sandwich”.  They are not just telling you how to make mean sandwich, but explaining you it more logical.

 

Sandwich is not a snack which you just sand typical stuff with bread any more.  It’s a sort of Architecture.  You might think they are talking about food on other planet, but you could see that it’s pretty right after you study sandwich structure.  It inspired me and I felt like building my original one following their sandwich logic right away.

 

“bon appetit" is the cooking magazine published by CONDE NAST PUBLICATIONS in the U.S.  I really enjoy reading each issue as they introduce dietary trend, healthy-ish food and cooking recipe around the world. I feel happy when I see lots of people from different countries respect our Japanese food and ingredients, and appreciate its healthiness.  The magazine shows how to put them into good use when they cook. It's surprising sometimes but fun definitely!

 

I'd like you especially those who want to learn English to read more overseas magazines.  It is more practical than studying English with textbooks and newspapers.  It would help you to broaden your knowledge and to understand other’s lifestyles based on different culture and their nationality.  Editor’s episodes are really interesting as well. There is a heap of tips for a better life.

 

 

Vol.10 蔦屋書店・藤木のオススメ 『As the Call, So the Echo』】

 

【Vol.9 蔦屋書店・犬丸のオススメ 『てんまると家族絵日記1』『伊藤潤二の猫日記よん&むー』】

Vol.8蔦屋書店・江藤のオススメ 『半分世界』】

Vol.7蔦屋書店・村上のオススメ 『ぼくの鳥の巣絵日記』】

Vol.6蔦屋書店・中渡瀬のオススメ 『骨を彩る』】

Vol.5蔦屋書店・犬丸のオススメ 『奇妙な菌類~ミクロ世界の生存戦略~』】

Vol.4蔦屋書店・濱野のオススメ 『注文をまちがえる料理店のつくりかた』】

Vol.3 蔦屋書店・丑番のオススメ 『SMに市民権を与えたのは私です』】

【Vol.2 蔦屋書店・江藤のオススメ 『勉強の哲学』】

【Vol.1 蔦屋書店・丑番のオススメ 『ぼくなりの遊び方、行き方 :横尾忠則自伝』】

 

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