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広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.369『平行宇宙は実在するか』松下安武 著 野村泰紀 監修 みすず書房

蔦屋書店・飯田のオススメ広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.369『平行宇宙は実在するか』松下安武 著 野村泰紀 監修 みすず書房
 
本書は無数の宇宙が存在する世界、マルチバースについて最新の物理学理論から教えてくれるサイエンス書である。

人類の歴史は、自らの宇宙観の変遷を巡る歴史でもあった。かつて人類は「宇宙のすべてが分かれば世界は完全に予測できる」と考えた。
これはニュートン力学が世界を支配していた決定論的な宇宙観であり、ラプラスの悪魔とも呼ばれるものだ。しかし、量子論の誕生は、粒子が複数の状態を同時に重ねつつ、観測によって初めて一つの結果が選ばれるという、不確定かつ多層な世界像を私たちに示した。この視点から宇宙を見上げると、私たちが見ている宇宙は無数に分岐する広大な空間の一断面でしかなく、実は無数かつ多層の並行世界が宇宙にも存在するのではないかという好奇心を搔き立てられる。

私たちの世界は直観や常識とは異なるロジックで構成されていて、人間中心の世界観が天動説から地動説へ転換したように、ユニバース、つまり宇宙はひとつであるという認識も、旧来的価値観の名残なのかもしれない。ユニバースなのか、マルチバースなのか。宇宙への問いかけは、私たち自身が培ってきた世界観を問い直す行為でもあるのだ。
 

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