広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.371『暗黒の瞬間』エリーザ・ホーフェン 著 浅井晶子 訳 東京創元社
蔦屋書店・江藤のオススメ広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.371『暗黒の瞬間』エリーザ・ホーフェン 著 浅井晶子 訳 東京創元社
被疑者と弁護士はある意味チームだ。
お互いが信頼しあい共闘することで無罪を勝ち取ることもできれば、信頼し得ないまま、満足な弁護ができないこともある。
被疑者が弁護士を信頼するかしないか、弁護士が被疑者を信用するかしないか、裁判の結果に大きく関わってくる。
では、どちらかが巧妙な嘘をついていたとしたら。
お互いが信頼しあい共闘することで無罪を勝ち取ることもできれば、信頼し得ないまま、満足な弁護ができないこともある。
被疑者が弁護士を信頼するかしないか、弁護士が被疑者を信用するかしないか、裁判の結果に大きく関わってくる。
では、どちらかが巧妙な嘘をついていたとしたら。
ベルリンで刑事弁護をしている敏腕弁護士エーファが手掛けた9つの事件が語られる小説です。
その事件は、例えば正当防衛に関する事件、例えば少年兵に関する事件、強姦事件もあります、さらには人食いという恐ろしい事件も。
その全ての事件で、エーファは真摯に事件に関わっていました。
その事件は、例えば正当防衛に関する事件、例えば少年兵に関する事件、強姦事件もあります、さらには人食いという恐ろしい事件も。
その全ての事件で、エーファは真摯に事件に関わっていました。
事件はけっして一方向からだけ見ればいいものではありません。ある側面から見ると哀れな被害者のように見えるが、実は見方を変えるとただの人殺しであったりもする。人は、本当に罪を犯した人でもあり、また本当に無実でもあったりする。
そんな中エーファは本当に罰せられるべき人を罰し、罰せられるべきでない人を救ってきました。
哀れな被害者老人の正当防衛なのか、それとも殺人なのか。
1人の確実な有罪者を捕まえるために、無罪の9人を有罪とするのか、それとも無罪の9人を救うために、確実な1人の有罪者をも無罪にしてしまうのか。
ここで語られる事件はどれも一筋縄ではいきません。とてもスリリングで謎に満ちていて、ある事実が判明することで姿を一気に変えてしまうような、とても刺激的で興味深い事件ばかりです。
そんな事件の中でエーファが判断した罰を受けるべき人、そうでない人が本当に正解なのでしょうか。もちろんエーファは自問自答をしながら、状況を見て、証拠を検証して、人々の話を聞いて、法に基づき然るべき判断をしていくべきです。
しかしそれが完全に出来る人などいるのでしょうか。
出来るとしたらそれは神のみではないでしょうか。
物語の中で、被疑者の弁護をするエーファですが、何かはわからないがエーファには「何か」があるのでないか?と読者に思わせるようなポイントがいくつも散らばっています。それぞれの事件は見事な解決をみせるのですが、ちょっと違和感を持ち始める読者もいると思います。そしてある重要な事件が起こります。エーファが試されるような事件です。そこで彼女が下す判断は。ある領域を踏み越えてしまっているのではないかと思われます。それでも彼女は自分の信念を貫き通す。
しかし、この本を読み始めた人は、冒頭にあるプロローグで知るのです。
彼女は長きに渡った弁護士の仕事を辞めようとしている。
それはなぜなのか。
彼女は長きに渡った弁護士の仕事を辞めようとしている。
それはなぜなのか。
この全ての事件が解決した後で、彼女の真の物語が始まることを
あなたは知るでしょう。
あなたは知るでしょう。