広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.289『美投資 メンズネイルからはじめるイケオジ美容本』舩木いつか/ホリエモン出版
蔦屋書店・竺原のオススメ『美投資 メンズネイルからはじめるイケオジ美容本』舩木いつか/ホリエモン出版
2020年代に入って以降(だったと記憶していますが)、ここ数年で男性向けの美容本が数多く出版される様になりました。
それはつまり「メンズ美容」というジャンルが市民権を得た、あるいはそれについて知りたいと思う人々が格段に増えたという事に他なりませんが、こと「イケオジ」になる為の美容本はと言うと、私が知る限り、意外と存在していませんでした(「メンズ」という大きな括りで語られる事が多かった)。
それはつまり「メンズ美容」というジャンルが市民権を得た、あるいはそれについて知りたいと思う人々が格段に増えたという事に他なりませんが、こと「イケオジ」になる為の美容本はと言うと、私が知る限り、意外と存在していませんでした(「メンズ」という大きな括りで語られる事が多かった)。
そんな意味で、新たな形のメンズ美容本とも言える本作ですが、もう一つ革新的な要素があります。
それは、この作品が「ChatGPT」を駆使して書き記された、という点です。ChatGPT(チャットジーピーティー)はChat Generative Pre-trained Transformerの略で、米OpenAI社が2022年11月に公開した人工知能チャットボットな訳ですが、それを使って書かれた本作は、一体どんな内容なのでしょうか?
それは、この作品が「ChatGPT」を駆使して書き記された、という点です。ChatGPT(チャットジーピーティー)はChat Generative Pre-trained Transformerの略で、米OpenAI社が2022年11月に公開した人工知能チャットボットな訳ですが、それを使って書かれた本作は、一体どんな内容なのでしょうか?
まず、著者である舩木いつかさんは、ハンドモデル兼ネイリストとして活動しており、遡ると2002年に広島の駅前の路上でネイルサロンをスタートした所からキャリアをスタートされました。2017年には広島県の商業施設LECT(レクト)内に「itsuka KIT DESIGN」を創業。また2027年にはitsuka KIT DESIGNをフランス・パリにてオープンされる予定があるなど、様々な“手”にまつわる文脈の活動をされています。
本作は、そんな舩木さんだからこそ、ネイルケアというトピックを主な軸にしつつ、スキンケア、ヘアケア、ファッション等々、全部で13の章から「イケオジ(イケてるおじさん)」へのアプローチを解説した美容ガイドです。また、具体的なケア方法だけでなく、イケオジ美容の基本哲学や、その効果についても触れられていたりもします。
舩木さん曰く、ご本人の長きに渡る美容業界での経験の中で、男性が自分自身の美を見つけ、自己表現に活かす事の重要性を強く感じて来られたとの事。男性が自身の魅力を理解し、それを最大限に引き立てる事で自己肯定感が高まり、生き生きとした毎日を送る事が出来ると信じているからこそ、このテーマで本を書こうと考えられたそうです。
内容は上述の通り13の側面からアプローチされているので、例えば「美容に興味があるけれど、何から手をつければ良いのか、、、」という、多くの人が陥りがちなエクスキューズがあったとしても、まずは自分が手を付け易い事から始められる点が読者にとても有難く、一つ一つを段階的に実践して行く事で、必ずや(この本の目的でもある)「イケオジ」になる事が出来る、という期待感も得る事が出来そうです。
また冒頭で述べた「ChatGPT」を使って書かれたという点について。
本作は「ChatGPT」が生成したベースとなる文章を舩木さんがアレンジして行くという流れで執筆されているので、ちょっと聞くと「果たしてどんな機械的な文章になるのだろうか」などと訝しんでしまいそうですが、読んでみての実態は全くそんな事はなく、至って自然。この事からも、制作過程において「ChatGPT」に頼る部分と、舩木さん自身が考え、手を動かす部分との良いバランスを、試行錯誤しながら完成に辿り着いたのであろう努力の片鱗が窺い知れる気がします。
本作は「ChatGPT」が生成したベースとなる文章を舩木さんがアレンジして行くという流れで執筆されているので、ちょっと聞くと「果たしてどんな機械的な文章になるのだろうか」などと訝しんでしまいそうですが、読んでみての実態は全くそんな事はなく、至って自然。この事からも、制作過程において「ChatGPT」に頼る部分と、舩木さん自身が考え、手を動かす部分との良いバランスを、試行錯誤しながら完成に辿り着いたのであろう努力の片鱗が窺い知れる気がします。
美容に悩める男性諸君への道筋を示した、という以外に、新たな執筆形体を本という形にした、という点でも、価値ある一冊ではないかと思います。