【広島 蔦屋書店】へいじつのよみきかせ 12月

交流イベント
1号館2F キッズスペース 2025年12月01日(月) - 12月31日(水)
 
広島 蔦屋書店 親と子フロアでは、おもに未就園児親子を対象にした「へいじつのよみきかせ」を平日毎日(13時30分~)開催しています。
子どもたちが最後の1冊まで楽しんでもらえるように、15分間の中に大型絵本や楽器あそび、歌あそび、ふれあいあそびなどを取り入れながら、読み手によって工夫をしています。
途中で出入りもOKですよ。
 
 

 
 
 
 
kidsコンシェルジュが提案する絵本を軸とした親と子の過ごし方。
今回は「さこももみさんの絵本」をテーマにお送りします。
 
紅葉を見にいかれましたか?
私は、11月下旬になってしまいましたが東広島の鏡山公園に行ってきました。
実はここは、今年春にお花見しようと足を運び、駐車場待ちの長い車の列を見て諦めてしまった場所です。紅葉でリベンジをと思っていたら、なんとピークを過ぎてしまいました。たくさん落葉していましたが、それでも赤や黄色オレンジに色づいた景色はとてもきれいでした。来年は、ここの桜を絶対見るぞ!
 
先日、広島 蔦屋書店で開催しています絵本のひろばという会に絵本作家のさこももみさんにお越しいただきましたので、今回は、絵本作家さんがどんな思いを絵本に込められているのかということをお伝えしようかなと思います。
11月21日、さこももみさんと8名の参加者の方と絵本についてのおしゃべりを楽しみました。おいしい田頭茶舗さんのお団子とお茶をいただきながら、本当に貴重でステキな時間を楽しみました。
ここで少しご紹介。絵本のひろばとは・・・
毎月1回、絵本が好きな人が集まって1時間30分の時間、絵本についておしゃべりします。定員は7名。好きな絵本、思い出のエピソード、作家さんについてなど、自由に話したり聞いたりしながら、絵本を紹介していただく場です。ご興味のある方はぜひ参加してみてださい。見学だけでも大歓迎!
話を戻しますと、こんな絵本好きにはたまらない時間を絵本作家さんと過ごせることが、夢のようでした。さこももみさんはとてもフランクな方で、絵本のひろばにお誘いした時も、「みなさんと一緒に肩肘張らない会がいいです」「なんでも質問にお答えします」と言ってくださり、その通り、絵本好きの私たちからのレアな質問やプライベートのこと、お仕事について、お団子を召し上がる時間も惜しんであらゆる質問に答えてくださいました。
 
私がお話を聞いて印象に残ったさこももみさんの絵本が2つありますので、ご紹介します。
1つ目は、『おじいちゃんちのたうえ』(講談社)。
この絵本は、息子さんの作文にさこももみさんが絵を描かれ、出版されたものだそう。広島の県北の農家の田植えの様子を描いたフィクション作品なので、会話が広島弁なところに親近感がわきます。子どもが、田植えの大変さや手伝いをどんなふうに感じているのかがよく伝わってきます。トラックに乗って帰る場面があるのですが、初めはバイクの後ろに乗っているところを描いていたんだそうです。しかし、敷地内であっても誤解を招くといけないということもありトラックになったそうなのです。
読者の子どもたちからはこんな指摘もあったそうで、朝起きて田んぼにでかける主人公の靴下の色と、シートの上でおにぎりを食べている時の靴下の色がちがう!と。確かによく見ると、朝の場面は白い靴下、おにぎりの場面はオレンジ色の靴下なのです。さこさんにこのお話を聞く少し前に、私は絵本をしっかり読んでいたのに、全然気が付いてなかった!と驚いてしまいました。子どもの気づきって本当にすごいです。さこさんは、「田植えのお手伝いして汚れちゃったから履き替えたのかな」と答えられたそうですが、この時は「たぶん塗るのを忘れていたかな・・・」とおっしゃっていました。
最後の場面はお手伝いのあとに1000円札をもらう場面なのですが、「おこづかいをもらう場面はちょっと、あまりよろしくないのかな」と躊躇されたそうですが、「働く」ということ、「働くことで得るもの」ということをやっぱり子どもたちにわかってほしいから、と、この場面は採用されたそうです。
少しお話を聞いただけでも「へー!」っと驚くエピソードがたくさんあるのです。絵本ができるまでの過程は本当に長い道のりで、作家さんと編集者の方が二人三脚をしながら
子ども目線で子どもに伝えようとする思いの強さには妥協がありません。すばらしいと思いましたし、おもしろい!と率直に感じました。
ちなみに、この絵本は、息子さんとの思い出の絵本であり、『さよならようちえん』(講談社)は娘さんの子育ての思い出を絵本にされたそうです。
 
2つ目の絵本は『すべってころんですりむいた』(絵本塾出版)
この絵本は、小野寺 悦子さんの詩にさこももみさんが絵を描かれた作品です。
詩だけが手元に届いたので、これにどんな絵を付けようか・・・と考えられたそうです。ひらめいたのがサーカス。詩がサーカスの絵にぴったりすぎて、まるで初めからサーカスが想定だったような作品に仕上がっているところが見事です!ひらめきって0から1を生み出すことなんだと、圧巻でした。
 
絵本を読んでいると、「子どもに読ませたいな」「内容がおもしろい」「絵がステキだな」と思うことはあるのですが、こんなふうに絵本が完成するまでのエピソードを聞くことができたら、深くその絵本の良さが伝わってきます。そして、子どもたちへその絵本を読んであげることで、さらにおもしろさを伝えることができる。大人と子どもが1つの絵本を見ることで、心の豊かさが連鎖していきます。
こんな体験ができることって、幸せだなと私は感じます。
みなさんも、絵本作家さんが登壇されるイベントなどにぜひ足を運んでみてください。貴重なお話や裏話も聞くことができますし、絵本作家さんはとてもお話が上手な方が多いので
絵本好きの方なら「聞いて良かった」と、きっと感じると思います。
 
さこももみさんのご主人は、現代美術を専門とされる画家で、お二人は大学の時にお知り合いになられたそうです。「同業なので、ケンカになったりされないんですか?」の質問に、「画風が違うのでケンカにならないですよ」と笑顔でていました。いつもお二人でいらっしゃるのをお見かけしますが、お互いを尊重し合う様子が垣間見れて、とてもいい距離感でいらっしゃるなと感じます。
 
さこももみさんは、9月にオタフクソースさんとコラボして出版された『おいしくなあれ』(マイクロマガジン社)がとても好評で、次々と作品を描かれています。
今後は、いろいろ挑戦したいとおっしゃるさこさん。以前、蔦屋書店オリジナルのクッキー缶を作成、販売した際に、缶のデザインを担当してくださいました。その時も、「お菓子のパッケージを描いてみたかったの」とご快諾いただきました。
また、色々な作風をお持ちのさこさんは、クッキー缶はとても神秘的でお大人っぽいデザインで、また、宮島自然さんぽの鳥は、切り絵を施され鳥の可愛らしさが際立っていました。幼児絵本は、子どものやわらかい笑顔が印象的な、これぞさこももみさんの絵だなと感じさせてくれます。
同じ絵を描くと、みなさんにもっと知っていただけるんだろうけど、いろんな技法で絵を描きたいと思っているの」とおっしゃっていました。だからこんなにも多彩でステキな作品が生み出されているんだなぁと本当に驚きます。
これからも、どこかで「あ、これさこももみさんの絵だ!」と見つけることが楽しみです。
新境地でもきっとご活躍されると思いますので、これからもファンの一人として応援していきたいと思っています。
 

【今月のおすすめ絵本】
『おじいちゃんちのたうえ』
さこももみ
 / 講談社
【あらすじ】
毎年恒例になっている田植えの手伝いに、家族みんなでやってきました。
見たことのない道具を使って、手際よく作業をするおじいちゃんとおばあちゃんはすごいなあと、ぼくも負けずに一生懸命手伝いをします。褒めてもらうと、とても嬉しいです。おじいちゃん家でできたお米で作ったおにぎりは本当においしい!頑張ったあとのすがすがしい気持ち良さ、お米の大切さを知ることができる絵本です。
 
【読み方アドバイス】
お米が高騰している今、どんなふうにお米が作られているのか子どもたちにも改めて関心を持ってほしいなと思います。農家の方が、1粒1粒作る農作業の大変さを感じながら、おいしいお米を食べられる幸せを親子で一緒に感じてください。
靴下の色も、ぜひ確認してみては?
4歳~。
 
 
「絵本のひろば」に来ませんか?

広島 蔦屋書店では月1回「絵本のひろば」を開催しています。この絵本がすごく好き、小さいころのエピソードや思い出、子どもにぜひ読んであげてほしい!など、絵本について何でもおしゃべりしませんか?話をするのはちょっと…と思ったら聞くだけでも大丈夫!絵本好きの人、一緒に楽しい時間を過ごしましょう!

 
■ 広島 蔦屋書店  絵本のひろば36
12月19日(金)11:00~12:30
1号館2F ワークショップテーブル
詳細はこちら
 
 

 
こちらも合わせてお読みください。
 
 
広島 蔦屋書店 kidsコンシェルジュ 宮本 陽子
 
 
 
  • 時間 13:30~13:45
  • 場所 1号館2F キッズスペース
  • 参加料 無料
  • 予約 不要
  • 講師 広島 蔦屋書店 Kidsコンシェルジュ
  • 問い合わせ 広島 蔦屋書店 082-501-5111

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